2013年11月21日木曜日

排熱利用に水蒸気吸着材を利用へ

ゴミ焼却場や工場排熱を利用するのは、近隣の温水プールに利用するか、配管輸送やPCM材をトラックで運ぶ方法が検討されている。

新たに水蒸気吸着材を使ってトラック輸送するというので、調べてみた。三菱樹脂さんが、昨年9月に水蒸気吸着材(AQSOA・アクソア)を使った冷凍機を発表していた。アクソアはゼオライト系機能性吸着材で、50℃~80℃の低温で水分を放出する性質をもつ。これで、100℃より低温の排熱を利用して吸着材を乾燥させてから、水分を再び吸収させ、そのときの気化熱で冷却を行う冷凍機を開発した。

このような、吸着材をトラックに積んで給湯負荷の比較的大きい施設に運びお湯に変える仕組みを検討しているという。従来のPCM材などの手法に比べて輸送効率が約4倍高いというが、一度に運べる熱量と熱損失に関係しているだろう。病院や高齢者施設への供給を見込んでいるが、個人宅に宅配便で熱を届けることも事業化の対象として考えているようだ。

牛乳のデリバリのように、お風呂を沸かす熱を配達してもらう時代がくるかもしれない。

前川製作所製吸着式冷凍機(三菱樹脂HPより)

2013年11月16日土曜日

進化する建築

建築の概念が大きく変わろうとしている。ファサードデザイナーのAbdulmajidさんが設計したAl-Bahr Towerはその代表例といえよう。日射を遮るために、可動式の傘を外壁に取り付けた格好をしている。

コンペのコンセプトは、飛びぬけたランドマークであり、文化や環境に結びついたオフィスビルであった。そのコンセプトにふさわしいビルだと感じる。

設計者の話では、この建物の建設コストは通常の建物に比べて高くないとしており、エネルギー消費量も20%程度小さいという。
建物の概要(CTBUHより)
可動式の日よけ傘
これからの建築はZEBなど挑戦的な課題を突き付けられる。動かない建築はもうふるいかもしれない。環境やニュースに答えて、再生可能エネルギーを建物一体化させることに加えて、動く建築が求められる時代になったと感じる。

2013年11月15日金曜日

太陽光発電と火災

太陽光発電(PV)の増加に伴い、火災に対するリスクを考える必要生が増している。ほかの家電製品に比べて危険ということはないはずで、パネルそのものが出火の原因になることはまれだが、設置不良による火災の恐れや火災時の消火活動に注意を払う必要があると指摘されている。

消火活動中に問題となるのが、通電時による感電だが、アメリカの消防はポータブルの絶縁カバーを持っていくらしい。あとは、パネルの荷重で火災で脆くなった屋根の崩壊を早めることが指摘されている。

太陽光パネルは決して危険なものではなく、嫌気することはない。ただ、火災時など非常時に備えることが大事である。by BRE(http://www.bre.co.uk/page.jsp?id=3210

火災で屋根が陥没

WTCアメリカ第一の高いビルとなる。

アメリカの建築委員会が12日、第一WTCビルをアメリカ国内の最高ビルとして認定した。高さはアメリカ独立宣言を記念して1776ft(541m)である。(104階建て、延床は約28万m2)
2001年9月、痛ましい事件からはや10年がたち、WTCの再建が2005年始まってから間もなく竣工を控えている。設計はNorman Fosterさんである。再生可能エネルギー利用、昼光利用、雨水利用、リユース建材活用などサステーナブル建築を実現している。

第一WTCを合わせて、4つのWTCビルが同時進行で建設が進んでいるが、そのうち、第4WTCは牧先生が設計されたことで関心を集めている。

WTC-1
足元には9・11メモリアル