2013年12月8日日曜日

洋上発電に補助金を

イギリスの政府が陸上風力発電や太陽光発電に割り当てる補助金を打ち切り、洋上発電に振り向けるとした。打ち切りは2015年までに実施するという。

太陽光や陸上風力発電はある程度成熟してきた?というのは、普及してきてコストも下がってきて補助金なしでも成長が見込めるまでに体力がついてきたと判断しただろう。それと、将来のエネルギーコストの過度な値上げも懸念しているようだ。

再生可能エネルギーの多様化を考えると正しい判断であると評価できるし、自然な流れであると見える。日本もFITの価格を太陽光発電は下げて、地熱や洋上からの発電単価を高くしようとしていることと類似する。

最近、原発の新設を発表したり、ソーラーファームのブームなどエネルギー政策に関連するニュースが増えてきたように見える。しばらく、その推移を見守っていくことは私たちの未来を占うヒントになるだろう。

洋上発電 by BBC news

2013年11月21日木曜日

排熱利用に水蒸気吸着材を利用へ

ゴミ焼却場や工場排熱を利用するのは、近隣の温水プールに利用するか、配管輸送やPCM材をトラックで運ぶ方法が検討されている。

新たに水蒸気吸着材を使ってトラック輸送するというので、調べてみた。三菱樹脂さんが、昨年9月に水蒸気吸着材(AQSOA・アクソア)を使った冷凍機を発表していた。アクソアはゼオライト系機能性吸着材で、50℃~80℃の低温で水分を放出する性質をもつ。これで、100℃より低温の排熱を利用して吸着材を乾燥させてから、水分を再び吸収させ、そのときの気化熱で冷却を行う冷凍機を開発した。

このような、吸着材をトラックに積んで給湯負荷の比較的大きい施設に運びお湯に変える仕組みを検討しているという。従来のPCM材などの手法に比べて輸送効率が約4倍高いというが、一度に運べる熱量と熱損失に関係しているだろう。病院や高齢者施設への供給を見込んでいるが、個人宅に宅配便で熱を届けることも事業化の対象として考えているようだ。

牛乳のデリバリのように、お風呂を沸かす熱を配達してもらう時代がくるかもしれない。

前川製作所製吸着式冷凍機(三菱樹脂HPより)

2013年11月16日土曜日

進化する建築

建築の概念が大きく変わろうとしている。ファサードデザイナーのAbdulmajidさんが設計したAl-Bahr Towerはその代表例といえよう。日射を遮るために、可動式の傘を外壁に取り付けた格好をしている。

コンペのコンセプトは、飛びぬけたランドマークであり、文化や環境に結びついたオフィスビルであった。そのコンセプトにふさわしいビルだと感じる。

設計者の話では、この建物の建設コストは通常の建物に比べて高くないとしており、エネルギー消費量も20%程度小さいという。
建物の概要(CTBUHより)
可動式の日よけ傘
これからの建築はZEBなど挑戦的な課題を突き付けられる。動かない建築はもうふるいかもしれない。環境やニュースに答えて、再生可能エネルギーを建物一体化させることに加えて、動く建築が求められる時代になったと感じる。

2013年11月15日金曜日

太陽光発電と火災

太陽光発電(PV)の増加に伴い、火災に対するリスクを考える必要生が増している。ほかの家電製品に比べて危険ということはないはずで、パネルそのものが出火の原因になることはまれだが、設置不良による火災の恐れや火災時の消火活動に注意を払う必要があると指摘されている。

消火活動中に問題となるのが、通電時による感電だが、アメリカの消防はポータブルの絶縁カバーを持っていくらしい。あとは、パネルの荷重で火災で脆くなった屋根の崩壊を早めることが指摘されている。

太陽光パネルは決して危険なものではなく、嫌気することはない。ただ、火災時など非常時に備えることが大事である。by BRE(http://www.bre.co.uk/page.jsp?id=3210

火災で屋根が陥没

WTCアメリカ第一の高いビルとなる。

アメリカの建築委員会が12日、第一WTCビルをアメリカ国内の最高ビルとして認定した。高さはアメリカ独立宣言を記念して1776ft(541m)である。(104階建て、延床は約28万m2)
2001年9月、痛ましい事件からはや10年がたち、WTCの再建が2005年始まってから間もなく竣工を控えている。設計はNorman Fosterさんである。再生可能エネルギー利用、昼光利用、雨水利用、リユース建材活用などサステーナブル建築を実現している。

第一WTCを合わせて、4つのWTCビルが同時進行で建設が進んでいるが、そのうち、第4WTCは牧先生が設計されたことで関心を集めている。

WTC-1
足元には9・11メモリアル

2013年10月31日木曜日

Energy Plus、最新バージョンがリリース

アメリカのエネルギー省が開発してリリースしているEnergy Plusの最新バージョンが公開された。

DOEのサイトより
新しい機能としては

  1. 複雑な形状の窓システムの支援
  2. 自然換気のモデル強化
  3. パッケージのような空調機器の新規モデル
  4. HVACシステムの機器拡充
  5. 不具合システムのモデル化機能など
ZEBに対する関心が高まるなか、建築側の省エネ策を定量的に評価できるツールが求められている。特に1.2.の機能は気になる機能である。

CO2排出量の増加傾向が鈍くなった?

オランダの環境評価機関が、世界CO2排出量の最新のレポートを発表した。2012年のCO2排出量が新しくまとめられており、排出量の増加傾向に変化があるそうだ。

2012年の世界CO2排出量は345億トンで一昨年に比べて増えたことには例年と違いはないが、その増加率が1.1%と過去10年間の平均増加率の2.9%に比べて鈍化したということだ。

その理由として、中国、US、ヨーロッパ諸国の情勢と再生可能エネルギーの普及があげられた。中国は水力発電が増えたこと、USではシェルガス開発で石炭の使用をガスに変換されたこと、ヨーロッパ諸国の不景気がその要因だと分析された。再生可能エネルギーは2012年に世界シェアの2.4%を占めて、年々増加しておりその増加率も急伸しているそうだ。

この調子でいけば世界のCO2は減少に転じる日がくるかもしれないが、まだまだハードルが高いといえる。(BBCニュース)


2013年7月19日金曜日

未利用エネルギー最前線

ガスエネルギー新聞 7/15
製鉄工場で、発電?
温度差で発電をする仕組みを利用して、鋼炉から出てくるスラブの熱で発電をするとか、10kWを発電することに成功し、24時間安定して電気が得られるそうだ。出尽くした感が漂うなか、朗報ではないか?

2013年6月22日土曜日

鍋で発電?

異なる金属を突き合わせて、温度差を与えると電気が起きる。この原理は昔から発見されていて、宇宙船に使われたり、温度計として使われてきたもので驚くものではないが、ここ数年エネルギー問題の関心の高まりからこれの原理がまた注目を集めているようだ。まともに使える電気を作るにはそれなりの温度差が必要で温泉などでこの原理を利用して自販機に電気を供給するなどの例があったが、ひときわ目を引くのがあった。鍋底の内外温度差を利用したのでしょう。災害時にとっても役に立つそう。贅沢かもしれないが、キャンプにもうってつけではないかと、、、
TESニューエナジー社

2013年5月20日月曜日

例会で卓話してきました。

名古屋ロータリクラブのご厚意により、例会の卓話にて話をしてきました。「事務所ビルのエネルギー消費実態と注意すべき点」と題して今の実態と震災後の動きについて概観した内容のお話をさせていただきました。例会の広報に卓話で話した内容の要約がのっています。話した内容が充実にまとめられていてびっくり、、以下のリンクからご覧になれます。
例会の広報誌

2013年3月25日月曜日

卒業式がありました。

卒業式がありました。学部・博士課程を含めて100人がめでたく卒業・修了することとなりました。学部長の先生はご挨拶で社会に役立つ人材になってほしいとおっしゃいましたが、一人前になるまでだいぶ苦労されることでしょう。
肩をおとすときもあるでしょう。ひとりで悩まず、周りに助けてもらいながら、成長していてください。頑張れ!芸工生
原田研の卒業生と
藤川くん証書授与

原田くん証書授与


お小遣い

この10年でお小遣いが4割減となったことがわかったようだ(今日の日経新聞朝刊)。その主犯は税金や社会保険料と、通信費が増えたからとみているとのことだ。
そういえば、スマホやインターネットが当たり前のようになって、月々の通信料が軽く1万円を超えるのは不思議なことでもなんでもない。便利にはなったとは思うが、それほどの金をかけてまで享受したいかというと、ハテナが付く。この小遣いが減ってそれがいま日本が悩みを抱えているデフレ要因のひとつともなっているそうだ。まぁ、経済のことはよくわからないが、一人個人にしてみれば、所得が増えてないとすれば、通信費が増えた分、ほかで削ってバランスをとっていることは安易に想像できる。便利になった分、その対価は相応のものか判断がつかないのだ。
家のインターネット

2013年3月22日金曜日

床衝撃音にはホワイトノイズが有効?

韓国では、高層アパートが多い。マイホームを所有することへの国民のこだわりは強く、国も住宅政策で容積率の高いアパートを供給することに力を入れてきた経緯がある。
そのせいもあってか、床衝撃音で苦しんでいる家庭が少なくないようだ。日本もマンション暮らしの人なら神経をとがらせた経験を持っているだろう。
この床衝撃音に効果的だとしてホワイトノイズが注目されているそうだ。ホワイトノイズとはすべての周波数で同じ強さとなるノイズのことだが、自然の音、例えば鳥の鳴き声や滝の音、川のせせらぎがある。床衝撃音がある場所でこれらの音を流してマスキングすると、ストレス軽減に効果があるとの研究成果が得られたとか(YTN)、、インターネットでこれらの音は手軽に入手できるので、いざというときには試してみていいかもしれない。
済州島の滝名所